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月別アーカイブ: 2025年4月

第6回防水工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社セントラルシール、更新担当の中西です。

いつも「防水工事雑学講座」をご覧いただき、ありがとうございます。


第6回 防水工事における品質保証とアフターサービス

防水工事は施工完了後の品質をいかに維持し、お客様に安心をお届けできるかが重要です。今回は「品質保証」と「アフターサービス」をテーマに、施工直後から長期にわたるフォローアップ体制まで、以下の3つの視点で詳しく解説します。

  1. 品質試験の実施方法

  2. 保証制度の設計ポイント

  3. 定期点検プランとメンテナンス契約


1. 品質試験の実施方法

1-1. 散水試験(水張り試験)

  • 目的:施工面に水を張り、漏水がないかを確認する試験。

  • 手順

    1. 防水層が完全に硬化した後、テストエリア(1㎡程度)を区画し、水を満たす。

    2. 24時間放置し、下階や内部天井に水滴・染みが発生しないか観察。

    3. 異常がなければ、順次他エリアも同様に試験。

  • 注意点:気温や湿度によって硬化時間が変わるため、施工後の乾燥確認は念入りに。

1-2. 赤外線サーモグラフィ検査

  • 目的:防水層の下に潜む浮きや剥がれを非破壊で検出。

  • 手順

    1. 晴天の朝、屋上などに赤外線カメラを設置。

    2. 日中の温度差を利用し、浮いている部分が他と異なる熱画像を示すかを解析。

    3. 異常箇所はピンポイントでマーキングし、必要な補修計画を立案。

  • メリット:広範囲を短時間で調査でき、肉眼では発見しづらい初期不良をキャッチ可能。

1-3. 引張強度試験(引張試験)

  • 目的:塗膜やシート防水の接着強度を測定し、耐久性を定量的に評価。

  • 手順

    1. 施工面の一部に専用引張試験キットを取り付ける。

    2. 機械で一定速度で引張り、剥離に要する力(N/cm²)を記録。

    3. 規定値以上の強度が得られているかを判定。

  • 注意点:試験後は小さな穴が開くため、速やかに補修材で充填し、表面を平滑に戻す。


2. 保証制度の設計ポイント

2-1. 保証期間の設定

  • 塗膜防水:通常3~5年の保証を設定。

  • シート防水:5~10年保証が一般的。継ぎ目部分の保証延長を検討。

  • ウレタン防水密着工法:施工品質が安定しやすいため、5~7年の保証を推奨。

2-2. 保証範囲の明確化

  • 保証対象:防水層の漏水、剥がれ、膨れなど、施工不良による不具合。

  • 除外事項:自然災害(地震、洪水)、第三者の損傷、経年劣化による軽微な色あせなど。

  • 対応内容:無償補修(材料・工賃)、再試験費用の負担、必要に応じた部分施工。

2-3. 保証書の発行と管理

  • 発行タイミング:最終試験合格後、すみやかに発行。

  • 管理方法:電子データベースで保証書を保管し、お客様へはPDFと紙版を併せてお渡し。

  • 更新オプション:保証延長プランを用意し、定期メンテナンス実施で保証期間を追加。


3. 定期点検プランとメンテナンス契約

3-1. 定期点検プランの設計

  • 点検頻度

    • 初年度:6ヶ月点検

    • 以降:年1回(または2年に1回)

  • 点検項目

    1. 表面のひび割れ・剥がれ

    2. トップコートの摩耗・色あせ

    3. 排水ドレンの詰まり・水たまり

    4. 継ぎ目シール部の劣化

  • 点検報告:チェックリストと写真付き報告書を作成し、改善提案を含めてご提出。

3-2. メンテナンス契約の活用

  • 年間保守契約:点検費用を平準化し、突発的な修繕にも優先対応。

  • パッケージプラン:トップコート再塗布や部分補修を含むパック料金を設定し、コスト予算を明確化。

  • リマインダー機能:契約管理システムからお客様へ点検時期の通知を自動送信し、フォロー漏れを防止。

3-3. アフターサービスの事例共有

  • 早期発見事例:年次点検で発見した小さなひび割れを即補修し、大規模漏水を防いだケース。

  • コスト削減効果:定期メンテナンス実施で、10年目の大規模改修費用を約30%削減した実績。

  • 顧客満足度向上:継続的なコミュニケーションで「安心感が違う」と評価された声を紹介。


まとめ

  1. 品質試験:散水試験・赤外線検査・引張強度試験で施工品質を多角的に確認。

  2. 保証制度:期間・範囲を明確にし、保証書発行から更新オプションまで整備。

  3. 定期点検・メンテナンス契約:点検プラン設計と契約運用で、長期的な防水性能を維持。

これらを組み合わせることで、防水工事後もお客様に「ずっと安心」をお届けできます。


次回第7回では、「防水工事における最新材料とエコ技術」をテーマに、

  • 環境配慮型防水材(低VOC、再生樹脂使用)

  • ナノコーティング技術による超撥水性能

  • 太陽光反射型トップコートの省エネ効果

など、地球にも建物にも優しい最新トレンドをご紹介します。どうぞお楽しみに!


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第5回防水工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社セントラルシール、更新担当の中西です。

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第5回 防水工事の事例紹介 ~商業施設・地下室の防水~

今回は、これまでの住宅やマンションに続き、より規模の大きな「商業施設の屋上防水」と「地下室の外壁防水」の事例をご紹介します。大規模建築ならではの課題と工法選定のポイントを詳しく解説しますので、「うちのビルでも同じような対策が必要かも?」と想像しながらお読みください。


1. 商業施設の屋上防水工事事例

背景

  • 施設概要:築20年、延床面積約3,000㎡のショッピングモール

  • 発生問題:屋上テナントの一部で雨漏りが頻発。テナント内天井や照明器具に水滴が落ちるなど、営業に支障が出ていた。

  • 調査結果:既存の塩ビシート防水が紫外線劣化により硬化・亀裂を生じ、継ぎ目のシール部にも隙間が確認された。

施工内容

  1. 事前調査とマーキング

    • ドローンと赤外線サーモグラフィで広範囲をスキャンし、隠れた浮きや劣化部を可視化。

    • 問題箇所をカラーコーンでマーキングし、テナントへの影響範囲を最小化。

  2. 既存防水層の撤去

    • 塩ビシートをはがし、下地モルタルの状態を確認。浮きや亀裂部はコンクリート打設で平滑化。

    • 廃材は分別収集し、再資源化プラントへ搬出。

  3. ウレタン密着工法の採用

    • 下地プライマーを塗布後、自己接着性ウレタンを1層目に塗布。

    • 中塗り・上塗りと重ねることで、シート防水以上の一体成型膜を形成。

    • シームレス構造のため継ぎ目からの漏水リスクを大幅に低減。

  4. トップコートと歩行保護

    • UVカット機能付きトップコートを2回塗布し、紫外線・摩耗から保護。

    • テナント作業員や点検者向けに滑り止め機能付き保護シートを敷設。

工事後の結果

  • 雨漏りゼロ:大雨時の水たまりも解消され、テナントからは「営業中の雨でも安心」と好評。

  • メンテナンス性向上:次回点検時に目視で劣化を確認しやすいライトグレーのトップコートを採用。


2. 地下室外壁の防水工事事例

背景

  • 施設概要:地下2階建てのオフィスビル(地下駐車場・機械室)

  • 発生問題:地下1階の壁面に湿気・結露が発生し、塗装剥離やコンクリートの白華現象(エフロレッセンス)が見られた。

  • 調査結果:外部地盤からの地下水浸透と、古いアスファルト防水層の劣化が主因。

施工内容

  1. 地下水位測定と排水計画

    • 現地ボーリング調査で地下水位を把握し、排水ポンプ設置位置を設計。

    • ビル外周に仮設排水路を構築し、工事中の浸水を防止。

  2. 既存防水層の剥離と下地処理

    • 古いアスファルト防水を高圧洗浄機で剥離し、下地コンクリートのクラックをエポキシ樹脂注入で補修。

    • 下地表面の浮き・剥離部はチッピングハンマーで除去し、均一な表面を形成。

  3. 塗膜防水+外貼りシート工法

    • 下地プライマー塗布後、厚膜エポキシ塗膜防水を2層施工し、水密層を構築。

    • 更に防根・耐候性を備えた防水シートを外貼りし、物理的な保護層を追加。

  4. 外部排水マットの設置

    • 地盤側に排水マットを敷設し、地下水を迅速に集水・排水ポンプへ誘導。

    • 排水マットの上に透水性保護土を戻し、外構舗装を復旧。

工事後の結果

  • 湿気・結露の解消:地下1階の湿度が施工前の80%台から50%台に低下。エフロレッセンスも完全に消失。

  • 長期安定稼働:排水ポンプの自動運転化により、メンテナンスコストを削減。


次回予告

第6回では、「防水工事における品質保証とアフターサービス」をテーマに、

  • 品質試験(散水試験・水張り試験)の実施方法

  • 保証期間と保証内容の設定ポイント

  • 定期点検プランとメンテナンス契約の活用

など、施工後も安心を提供するための仕組みをご紹介します。どうぞお楽しみに!


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